【S17ダブル最終89位】からだにやさしいワンパン型晴れサイクル

 

◇はじめに

こんにちは、ジェラルドです。

レギュレーションFにおける長い戦い、お疲れさまでした。

私自身予選は残念な結果に終わってしまいましたが、ランクマッチS17にて自己最高の瞬間レート1960(最終89位、最終レート1906)を記録できましたので、構築をご紹介いたします。

 

使用構築

 

◇コンセプト

ハバタクカミをてだすけで火力上昇、コータスのひでりで素早さ上昇させ、1ターン目から相手をワンパンしていく構築です。

「ムーンフォースは等倍なら1発ぐらいは耐えるでしょ!」と思われがちですが、こだわりメガネてだすけテラスムーンフォースを受けられないポケモンが実は多く、その油断を狙ってバシバシ倒していきます。

残数が減ったことで不完全になった相手のサイクルに対し、コータスのあくびやガオガエンで妨害してじわじわと追い詰めることで勝利を目指します。

 

◇構築経緯

1.方針の決定

PJCS2024予選にてレギュレーションFが用いられる事がわかり、短い時間で45戦をこなすために身体&メンタルへの負担を少なくしてプレイングミスを減らせる構築を作りたいと考えました。このため、構築作りの際に以下を考慮しました。

・スタン構築とのサイクル戦は疲労が大きいので避けたい

・できる限り命中安定技を採用し神に祈る回数を減らす

・メインウェポンを通りの良いタイプにし環境の変化に適応しやすくする

・見慣れない構築は1ターン目から高火力で潰し、やられる前にやる

これらを念頭に置き、環境調査をに入りました。

 

2.環境調査

レギュレーションEからFの変化に当たり、藍の円盤で解禁されたポケモンが多く環境に入ってきました。

タケルライコウガツホムラウネルミナモテツノカシラガオガエンブリジュラスエンテイなど

これらを見て感じたのは、

・相変わらずフェアリータイプの通りが良い

・強い水炎電気のポケモンが増え、鋼タイプが採用しにくい

・クレセリアのような超高耐久ポケモンは追加されていない

ハバタクカミハバタクカミが結局強い

コータスハバタクカミに強いポケモンは炎タイプの処理が難しくコータスのあくびで誤魔化せる

この2匹であれば、こだいかっせいとてだすけを生かして1ターン目から高速&高火力を実現できるため構築の方針と合っていました。

さらに、多くのポケモンがこだわりメガネてだすけテラスムーンフォースを等倍でも受け切れないため、これを何度も打つことを戦術の軸としました。

等倍高火力技は抜群技と違って相手の防御テラスタルで対応しにくいという強みがあります。また、抜群でなければ耐えると勘違いしてくれるので、まもるを使われにくくすかされづらい点も魅力でした。

ハバタクカミ:メインアタッカー

コータス:サポート兼削り役

 

コータスハバタクカミでワンパンした後には、物理アタッカーでハバタクカミを止めに来ることが想定されます。これに対し、ガオガエンを裏に控えさせておくことでハバタクカミに飛んでくる物理技を安全に受けることにしました。

ガオガエン:クッション

 

これまでの3匹の場合、とつげきチョッキを持ったエンテイやガオガエンなどの処理が難しいことと、晴れ状態といえど連撃ウーラオスのすいりゅうれんだで大きく削られてしまうため、炎水対策としてウネルミナモを採用しました。

ウネルミナモ:クッション兼アタッカー

 

ウネルミナモは多くの水タイプに対して有利ですが、井戸オーガポンだけは難しいです。また、レギュFの序盤から流行していたディンルー+ヘイラッシャに対応するため草打点が必須でした。このため、ソーラーブレードを覚えた礎オーガポンを採用しました。このゆびとまれでハバタクカミのサポートも可能です。

オーガポン(いしずえ):アタッカー兼サポート

 

ここまでで構築の大枠は決定しましたが、やられる前にやる構築なので相手の追い風が苦手です。特に、トルネロス+連撃ウーラオスは天候も奪われるため天敵といえます。また、耐久力の高いクッション役がガオガエンしかおらず、不利構築相手だと受け切れないことが多かったです。このため、トルネウーラに強く、不利な状況でも誤魔化して負けにくくできるモロバレルを採用しました。

モロバレル:クッション兼サポート

 

これによりアタッカー、サポート、クッションのバランスが取れた構成となりました。

どの2匹が場に出ていても横の相性が良く、積極的な交代がしやすい構築です。

ハバタクカミコータスガオガエンウネルミナモオーガポン(いしずえ)モロバレル

 

3.練度の向上

ランクマにて試運転し、この構築の強さを確認したところ、最も安定感のある動きは下記のあくび+とんぼがえりのサイクルだとわかり、対戦内で可能な限りこれを実行することを目指しました。

 

この構築の基本的な動き(あくびとんぼサイクル)

 

このサイクルを回していく上で最も重要なのはハバタクカミで倒せるか?倒せないか?の判断です。この精度を上げるため、対戦外の時間で下記の確認を行いました。

・ハバタクカミが環境トップのポケモン達に与えられるダメージを可能な限り計算し、確実にワンパンできるようにする。

・相手の構築で誰がきあいのタスキ&とつげきチョッキを持っているかを見抜くため、対戦を重ねてデータを取る。

・選出時間をフルに使って相手構築の狙いと持ち物を推測する。

・このサイクルが通せない構築を把握し、それらに対して個別の対応を考えシミュレートする。

これらを調査&学習することで、プレイングミスで負ける回数を減らすことができ、構築のポテンシャルを最大限に生かすことができました。

 

◇個別解説

 

調整

C:てだすけテラスムーンフォースでHD特化ガオガエンを高乱数1発(75%)

S:こだいかっせい込みでおいかぜ下の準速化身ランドロス抜き

 

「上からワンパンすれば耐久は不要」を体現しており、落とせないと不利な状況に陥るため、きあいのタスキやとつげきチョッキなどのワンパン出来ないポケモンの前ではすぐに引っ込めます。

パワージェムは、耐久振りヒスイウインディと炎テラスを切られがちなイーユイピンポイントメタです。

相手のウネルミナモや化身ランドロスに対してはテラスタルを考慮し、てだすけシャドーボールでワンパンしていました。ムーンフォースとシャドーボールは以下のような打ち分けです。

てだすけテラスムーンフォースでワンパン

ハバタクカミガオガエンウガツホムラタケルライコリキキリンガチグマガチグマ(アカツキ)ランドロス(霊獣)ディンルードドゲザン

てだすけシャドーボールでワンパン

ウネルミナモランドロス(化身)キラフロルコータスサーフゴー

 

調整

HD:CブーストC188タケルライコのランク+1りゅうのはどうを93.75%で耐え

C:207-91とつげきチョッキゴリランダーを晴れオーバーヒートで高乱数1発(93.75%)

S:最遅モロバレル及びミラー意識

 

試合展開に緩急をつける司令塔のようなポケモンで、早めに落とされるとアタッカー陣を生かしきれず不利になります。

相手のきあいのタスキを安定して処理できるふんかを採用し、後述のモロバレルとの組み合わせではメインウェポンとしても活躍しました。

オーバーヒートに関しては、最初は命中安定のかえんほうしゃを採用していましたが、H振りとつげきチョッキゴリランダーをワンパンできるため変更しました。Cダウンしてもあくびで仕事ができます。

晴れで相手のタケルライコの火力が上がってしまうためDに厚く振る必要がありましたが、削り役として最低限の火力が欲しかったためもくたんを持たせました。

 

調整

HD:Cブースト特化テツノカシラのてだすけ地面テラバーストを93.75%で耐え

B:余り

A:HB特化モロバレルを晴れフレアドライブで確定1発

S:とんぼがえりで後続を無償降臨するために最遅

 

ハバタクカミとの相性が非常に良いポケモンです。

クッションとしての役割がメインのため、いかく+とつげきチョッキで物理特殊の両方を見れるようにしています。晴れによってAに振らなくても火力が出るのもよかったです。

アタッカーを安全に着地できるよう、最遅でのとんぼがえりを採用しました。きあいのタスキやマルチスケイルを割る役割もあるので、すてゼリフよりもこの構築には合ってました。

 

調整

H:16n+1

C:ぶっぱ

S:合体後の準速ヘイラッシャ抜き

 

最初はいのちのたまで運用していましたが、クッションなのに耐久が削れるのが痛すぎたため、ねこだましとバークアウト対策としておんみつマントに変更しました。

このポケモンは弱点を突く能力が非常に高く、相手に受け身の行動を取らせやすいのでみがわりを採用しました。じんらいやふいうちに強いのもよかったです。

 

調整

同速意識&特性がんじょうを生かして最速ASぶっぱ

 

炎タイプや刈り残しを岩技でスイープする役割です。

ガオガエンのとんぼがえりで無償降臨させるのが基本的な動かし方です。

ソーラーブレードは礎オーガポンの草技問題を解決してくれる技で非常に役に立ちました。「晴れてないなら、つたこんぼうでなんとかなるでしょ!」と思っていましたがフェアリーテラスタケルライコに対してソーラーブレードなら確定2発を取れる場面が多く、繊細な天候操作が求められました。

 

調整

BOXにいた個体をそのまま使用した

トルネロスや化身ランドロスへの受け出しを想定して特殊耐久厚め

H2n調整ぐらいはすべきだった

 

敗色濃厚な試合も最長眠りやさいせいりょくで勝たせてくれる最高のポケモンです。

かふんだんごは礎オーガポンのがんじょう復活やコータスのふんか威力アップなどこの構築を非常にマッチしていました。

特に、コータス+ガオガエン+モロバレルというサポーター多めの選出をした場合に、かふんだんごでコータスにアタッカーの役割を持たせられたのがよかったです。

 

◇選出

・基本

先発:ハバタクカミ+コータス

後発:ガオガエン+ オーガポン(いしずえ)

多くの構築がこれで対応可能で、基本的に前述したフローチャート通りに動かします。

瞑想ライコについては、テラスを使わせた上であくびで動きを止め、ガエンと岩ポンで削ります。

 

・トルネウーラ

先発:ハバタクカミ+モロバレルor  オーガポン(いしずえ)or ガオガエン

後発:コータスモロバレルガオガエンウネルミナモから2匹

ハバカミとこの指役orねこだまし持ちを組ませ、トリックルームをチラつかせながら圧をかけます。

コータス後投げで晴らしてハバカミをSブーストさせ、相手の追い風アタッカーを無理やり抜きに行くプレイングも有効です。

 

・イエカシラ

先発:ハバタクカミガオガエン

後発:コータス+ ウネルミナモor オーガポン(いしずえ)

ハバカミ方向へのタキオンカッターを誘ってコータスorミナモで受けます

交代やみがわりで時間を稼いでいる間にガエンがバクア連打して腐らせます。

 

・ホムラゲザン

先発:ウネルミナモ+コータス

後発:ガオガエン+ハバタクカミor オーガポン(いしずえ)

みがわりとあくびを有効に使ってアドを取りに行きます。

ホムラを倒せれば岩ポンハバカミの場持ちが良くなるので先に処理するのが理想です。

 

・ディンラッシャ

先発: オーガポン(いしずえ)+コータス

後発:モロバレルorガオガエン+ウネルミナモから2匹

てだすけソーラーブレードでワンパンして盤面を崩します。

岩ポンへのヘイトがすごいのでニードルガードを多用します。

 

・アグロ寿司

先発: ハバタクカミ+コータス

後発:モロバレル+オーガポン(いしずえ)

ハバカミで相手の先発を倒した後、岩ポンを受け出ししながらあくびかきのこのほうしで寿司を寝かしに行きます。削れた岩ポンはかふんだんごで治療します。

寿司はソーラーブレードで確定2発ですが、最速起きされると負けなので運が絡みます。

 

・毒寿司

先発: オーガポン(いしずえ)+コータス

後発:モロバレル+ウネルミナモ

てだすけソーラーブレードでキラフロルをワンパンし、後は押し込みます。

毒寿司を偽装したアグロ寿司は相性不利です。

 

・ガチクレセ

先発: ウネルミナモ+コータス

後発:ガオガエン+オーガポン(いしずえ)

みがわりを張ってトリックルームに備え、クレセにあくびを入れてガチクレセの並びを妨害します。

コータスの火力と岩ポンのがんじょうを活かしながら押し切ります。

 

・砂パ

先発:ハバタクカミ+モロバレルor コータス

後発:コータスモロバレルガオガエンウネルミナモオーガポン(いしずえ)から2匹

岩の一貫がキツいため、めちゃくちゃ不利です。イイネイヌがいると尚更厳しいです。

 

◇おわりに

お忙しい中お読み頂きありがとうございました。

目標としていた予選突破及びランクマレート2000に届かず悔しい結果に終わりましたが、多くの猛者と戦えて成長できたレギュレーションでした。

最後に、環境調査や構築相談に乗って頂いたmatchaさんminiさん、日頃より仲良くしてくださり応援してくださったフォロワーの皆さんに感謝申し上げます。

ご質問等ございましたら、Xアカウントまでお気軽にご連絡下さい。